そろそろ店じまい?

40代のくたびれたおっさんゲイのよしなしごと

苦節40年(違う)、ついにモーター追尾撮影に成功!

 さて、勢いで買ってしまったEQ5赤道儀用の赤経モーターを、うちの40年選手の初代ポラリス赤道儀にくっつけようという試みである。あきらめて大人しくドリルを買って、金属加工の練習から始めようかとも思ったのだが、はて、もうちょっと簡単な方法はないもんか…

 …樹脂で台を作ることにすれば、うちにある道具でもいけないか?

 さっそく、なるべく固そうなアクリルの小さな箱的なものを用意する。赤道儀の側面には、おそらく本来のMD5モーターを固定するための平らな部分があって、6mm径のネジが2つ付いている。それを外してから、アクリルの箱をあてがって、ネジ穴部分に印をつける(ザ・現物合わせw)。うちの道具箱にあったキリでアクリルに穴を開けて、棒ヤスリでゴリゴリと、6mm径まで穴を広げる。ネジで赤道儀本体に締め付けてみたら、なんと、意外としっかりと止まった。やった、これで台座らしきものができたぞ。続いて、モーターをこのアクリルの箱に乗せて、歯車の位置合わせをする。慎重に合わせたところで、モーターの底部のネジ穴の位置をまたアクリル板に写して、穴を開ける。開いた穴にビスを通してモーターをしっかり固定すると、歯車もちゃんと噛み合って、なんだかそれらしい様子に見えるぞ。触ってみたところ強度もそれなりにありそうで、え? これ、意外と行けんじゃね?

 いそいそと部屋の中で鏡筒をセットして、モーターにコントローラーと電池ボックスをつなぐ。おもむろにスイッチを入れると、ウィーンとかすかな音を立ててモーターが動き始め、歯車がゆっくりと回転し出した。

 等速だと歯車が1回転するのに10分かかるので汗、途中でコントローラーのスイッチを8倍速に切り替えて、祈るような気持ちで回転を見守る。何しろ軸に偏芯があるのだ。途中で噛んで止まってしまったり、外れて空転してしまうかもしれない。まだ大丈夫か、あと半回転、あと4分の1、あともうちょっと…

 …やった、ちゃんと回るぞ。

 なんと、モーターは止まりも空転もせず、ちゃんとコンスタントに赤道儀を動かし続けたのでした。偏芯しててもちゃんと回るし、ちゃちなアクリルのお手製台座でも、鏡筒とバランスウェイト分の重量を動かすモーターのトルクを支えることはできる。やったー、どうやら成功だ。なんと、着いた翌日には実際に使えるようになっちゃったぞ。意外とやるじゃんオレw

 ただ、本当にちゃんと星の動きに合わせて正しいスピードで追尾できるのかどうかは、実際に夜になって試してみなければわからない。で、夜になって試してみた。その結果がこれ。

 

りょうけん座の球状星団M3。前に眼視で見た時には、モヤっとしたカビのコロニーにしか見えなかったやつw


 このときばかりは、ちょっと自分で自分を褒めてやりたい気分だったw まあ、「天体写真」として見れば、星像は肥大してるし流れてるし、色も補正しきれてなくて(実は、IRフィルターもカメラと一緒に買ったけど結局使っていない。うちの鏡筒はf10と大変暗いので、少しでも露出を稼ぎたいのだ)、お粗末な限りなのだが、個人的には、40年前のオンボロ機材でこんだけ写れば御の字。いやあ、カメラにモーター、買ってよかった。望遠鏡で写真、楽しいなぁ。

 …が、もちろんそんなに簡単に全てうまく行くはずなどないのであって、うちの40年選手のオンボロ機材は、ポンコツ持ち主に対して次々と新たな牙を剥いてくるのであった(大げさ)。