そろそろ店じまい?

40代のくたびれたおっさんゲイのよしなしごと

やっぱ時代は電動w

 結論から言うと、追尾なし、あるいは手動でのテキトー追尾でも、銀河を写すことは可能である。

 …「写すだけ」ならね。(^_^;

 目標に定めたのは、以前(と言ってもほんの10日ほど前だけどw)眼視では全く見ることができず、涙を飲んだ、しし座のM65、M66銀河である。前の時と同様、まずはファインダーでだいたいこの辺という所まで合わせてから、本体で見る。前回との違いは、覗くのが接眼レンズではなく、カメラに繋がったコンピューターの画面という点だ。

 …ほえ?

 なんじゃこりゃ。どこ見てんだか全然わかんねーや汗

 接眼レンズを使う場合は、まず低倍率で覗いて場所を確認してから、目標の天体を視野の中心に入れて、高倍率に切り替える。ところが、今回買ったASI385MCというこのカメラは、1/1.9インチという小さな撮像素子(たったの200万画素)なので、いきなり百数十倍程度のレンズで覗くのと同じくらいの範囲しか見えない。あらかじめ聞いていた話ではあるが、こりゃ目標の導入は大変だ。というわけで、ファインダーでもはっきり見える明るめの星を入れ直して、そこから星図を頼りに画面上で順番に辿ってゆくやり方に変更。やってみると、確かに時間はかかるのだが、カメラのゲイン(感度)を上げれば、だいぶ暗めの星も画面上ではっきり見えるようになるので、接眼レンズで見えるか見えないかのかすかな星を目を凝らしながら探すよりは、やりやすい面もあることがわかった。

 ここでついでに、露出の設定もする。シャッタースピードを遅くすれば、より暗い星もはっきり見えてくるのだが、数秒以上とかにすると、画面の切り替わりにそれなりに時間がかかるので、鏡筒を動かしながら画面上で目標の天体を探すという使い方には向かない(途中で迷子になるw)。1/2秒(500ms)程度がよさそうだが、これだと低ゲインではだいぶ明るい星しか見えない(うちの鏡筒はそもそもf10の暗い光学系なので、写真にはかなり不利。写真撮影が一般的になった今では長焦点の鏡筒が流行らないわけが、よくわかりました汗)。というわけで、ゲインを試しに最大にしてみる(このカメラでは600)。お、星図にある星がだいぶ細かく見えてきたぞ。ノイズはすごいけど汗、これは明らかに眼視よりも暗い星まで見えてる。いいぞいいぞ。

 というわけで、改めて銀河へ向かう。お、今画面に見えてるのがこの星並びだね。ちゃんと星図どおりだなぁ(当たり前)。とすると、こっからもうひと画面分くらい西へ行くと、四角く並んだ星があって、その端のところに…

 …あった。見えたよ。M66だ。

 ノイズまみれの画面の中に、もやっとしたシミ状の影が映っていた。星は白っぽく丸く映るので、違いは明らかだった。薄暗く不定形の、ホコリの塊みたいにぼんやり広がった影。ああ、これが夢にまで見た(うそ)、M66銀河だ。どう見てもただの画面の汚れかシミにしか見えないけどw、眼視ではあれだけ頑張っても全く存在すらわからなかった銀河が、はっきり見える。やっぱカメラすげー。

 しばし、微動ハンドルでせわしなく追いかけながら、初めて見るM66の眺めを楽しむ。いや、やっぱりどう見ても、ノイズがちょっと濃くなった画面のシミにしか見えないのだけど、これこそが3600万光年かなたの小宇宙。今見ている光は、実に3600万年前に(以下略)。あ、そう言えばこれでまた「一番遠い記録」更新だ。わーい。

 そうそう、今日はさらに、撮影するという目的もあったのだった。保存フォーマットを動画に設定して、常時追尾したり、しなかったり、10秒おきに少し動かすようにしてみたり、1分ほどの動画を何パターンか撮影する。さらに今度は隣のM65も確認して(うちのカメラでは画角が狭くて一緒の画面には入らなかった)、こちらも撮影。さて、どんなふうに写ってるのかな…

 

 で、あとから処理して1枚の画像にしてみたのがこれ。

しし座のM66銀河。手動で追尾してみたw(総露出時間30秒くらい)

 うん、確かに写ってはいる。眼視で一切見えなかった銀河をカメラを通して見るという目的は十分達成できた。さらに、観察の記録をつけるという目的もこれで果たせる。実はオッサンになって記憶力がますますニワトリ化してきていて、目で見ただけだと、何をいつ見てどんなふうに見えたか、全然おぼえてられないのだ(星団とか銀河とか、ぶっちゃけどれもけっこう似たような感じだったりするしねw)。スケッチでも描ければ印象にも残るし一番いいんだろうけど、絵心ゼロだし、写真に撮る方が速い。(^_^;

 ただ…

 どうせせっかく望遠鏡があって、カメラも買ったんだったら、やっぱりまともな「天体写真」も撮ってみたい。本やネット上で見るようなほんとにきれいなすごいのは無理としても、せめてこんくらい、銀河の渦巻きがわかるくらいのやつは… ほんとはこれくらいの写真は撮れる機材なんだし。

しし座のM66銀河。後になってから、同じ望遠鏡と同じカメラで撮ったもの(総露出時間は25分)

 

 では何が足りないのか。そう、モーターである。モーターさえあれば、もう少しまともな写真も(きっと)撮れる。こうして、40年前の望遠鏡にモータードライブをつけようという泥沼にハマるオジサンなのでありました汗