そろそろ店じまい?

40代のくたびれたおっさんゲイのよしなしごと

ファインダーが真っ二つ(物理的に)

 さて、出してみたら主鏡がカビカビだったけど、分解して拭き拭きしてみたら意外ときれいになってイケるかな、な40年もののオンボロ望遠鏡だったのだが、いよいよ覗いてみようとすると、さらに問題が発生。

 …ファインダーがぶっ壊れてた。しかも、比喩的な意味ではなく、文字通り物理的に真っ二つ汗

真っ二つ(物理的にw)

 はぁ? 一体何だってこんなことになってんだ? 一体何をしたんだ昔のオレ。(^_^;

 途方に暮れていじっているうちに、40年前の記憶がだんだん蘇ってきた。

 ファインダースコープはそもそも照準器なので、中に十字線が張ってある。それがある時切れたのだった(これ自体はよくあることらしい)。で、物の本に「自分で修理できるよ」みたいなことが書いてあるのを見て、やってみたわけである。ファインダーの接眼部を外して、プラモデルを作るときに使う接着剤を細い糸状に伸ばして貼り付け、十字線を作る。この作業自体は問題なくうまく行って、小学生の自分ご満悦。

 が、なにしろ接着剤の細い線なので、すぐにまた切れてしまう。さらに、慣れてくると、「なんか歪んでる」とか「太さが一定じゃなくて汚い」とか「あ、ゴミ入った」とか色々気になってしまって、しょっちゅう分結を繰り返すようになった。

 で、ある時接眼部のネジ山をなめてしまったのである汗。今改めて見ると、樹脂製でしかもすごくピッチの細い繊細なネジ山で、もういかにもすぐなめそうなヤバい気配がプンプン漂っている部品なのだが、何しろ雑な小学生、何も考えずにグイグイ何度もねじ込んでいたので、あっという間にダメにしてしまった。かくして接眼部はフリー回転状態。いくらねじ込んでもポロッととれるようになってしまった。やばい、どうしよう汗

 で、小学生の自分は、ネジ山の部分にちり紙の切れ端を挟み込んで摩擦で無理やり止めるという荒業でこれを乗り切ったらしい。て言うか全然乗り切れてないw。ちょっと触っただけですぐに動いてしまって、これでは照準器の役を果たしていない。

 …さて困ったぞ。どうすべかなぁ。

 最初は、接眼部ごと接着剤でべったりくっつけてしまったらどうかと思ったのだが、それでは視度調整が全くできなくなる。これはあまりに不便。

 メーカーのホームページを覗いてみたりもしたのだが、当然こんな大昔の製品の補修部品なんか載っていない。新しいファインダーは何種類か出ているが、なんか取付部分の仕組みがうちのと全く違うぞ。これじゃあ新しいの買っても付けらんないじゃん。何じゃアリガタ式って…

 調べてみると、「アリガタ・アリミゾ式」とは、うちの望遠鏡が出た数年後にビクセン社が開発した部品取付部の規格らしく、今では世界中で広く採用されて業界標準みたいになってるのだそうな。そんなことも知らんかった…

 うーん、しかし困ったぞ。このアリガタとやらが標準化したおかげで、
他社のファインダーや、ネットで見る安い中国メーカーの製品もみんな軒並み「アリガタ式」、これじゃあどれも使えないじゃないか。

 ううむ、やっぱり望遠鏡ごと一式新しいやつに買い替えるのが吉なのか。これを機に、口径倍増、重量半減、光学性能も40年で進歩してるだろうしウハウハ。それはそれで魅力的…

 と、ここでふと気がついた。ファインダーは、主鏡筒と光軸が合っていないと使えないので、光軸調整のためのネジが台座側に3つ付いている。このネジを押したり引いたりして締付けを変えることでファインダー鏡筒の向きを微調整するわけだ。つまり台座の外枠とファインダー本体の間にはネジの長さ分の隙間が常にあり、ネジをすべて緩めれば、ファインダー本体は台座からすっぽり抜ける。

 大体の寸法が合ってれば、今の台座に新しいファインダーの本体だけぶち込んで、後はネジの締め具合の調整で何とかなるんじゃね?

 というわけで、買ってみましたファインダー。さすがに高価ないいやつだと、うまく行かなかった時のダメージがでかいので、安いやつで本体部分の外径がだいたい同じやつを探してみる。SVBONYという中国メーカーの製品で、良さそうなサイズのものがあった。ファインダーのスペック自体も、6倍30mm で今のものと全く同じ。しかも何と、5000円でお釣りが来るお値段。すごいぞ中華製。でも、届いたらボール紙でできてたりしたらどうしよう。(^_^;

 …で、届いたのはちゃんとしたファインダーでした。今時は中華製でも、まともなメーカーのものはちゃんとしてますね(後から見たら、このSVBONYというメーカーは世界的なシェアがある立派な光学メーカーのようです。この後もちょこまかとこのメーカーのいろんな小物を買ってますが、今のところ明らかなハズレはないです)。見た目の仕上げもしっかりしているし、実際覗いてみても、クソ明るいうちあたりの空でも6等星くらいまではちゃんと見えるし、見え具合もクリアで悪くない(まあ、斜めから光が入ると盛大にゴーストが出て見えづらくなるけど、この値段なら他でもこんなもんじゃないでしょうか)。

 実はこれ、実際に付けてみたら、もともとのビクセンのやつより外径が微妙に太くて、どれだけ調整しても望遠鏡の視野の中心がファインダーの十字線の交点に来ないというおマヌケなことになったのだけど、これはもう初めから少しずれた所が中心ということで脳内補正して見るしかなかろう。うん、それでいいことにする汗。
(実はこれ、実際やってみるとなんとも絶妙に不便なのだけどw、まあ使えないわけではないからいいのだ汗。結局未だにそのまま使ってます)。

 とにもかくにも、これでついに準備は整った。いよいよ、40年ぶりにこの望遠鏡で星を見てみるか…