そろそろ店じまい?

40代のくたびれたおっさんゲイのよしなしごと

天王星を見た話

 さて、いろいろな散開星団を覗いて、肉眼で見えない天体を望遠鏡で見る楽しみにすっかり味をしめた星見おじさん、ここで今度は、もっと小さかったり暗かったりで難易度の高い、球状星団や系外銀河なんかも見てやろうと思ったわけである。特に、系外銀河はアンドロメダ銀河だけ昔どこかで肉眼で一度見たことがあったのだが(うちあたりでは全く見えないので、どこかへ出かけた時だったのだと思う)、球状星団は文字通り一度も実物を見たことがないので、死ぬまでに一度はこの目で見てみたい。ふんがー。

 というわけで、「今年の目標」とか立ててみた(注:これは2022年2月の話です汗)。

 1. 天王星を見る。土星までの惑星は肉眼でも見えるので、昔望遠鏡でも見たことがあるのだが、天王星より向こうは(うちでは)肉眼では見えないので、見たことがない。見たい。(ちなみに天王星は6等星なので、空の暗い場所なら実は肉眼でも見えるらしい。)

 2. 球状星団を見る。

 3. アンドロメダ以外の系外銀河を見る。

 …結論から言うと、この「今年の目標」は立ててから10日以内にすべて達成してしまったのだが(そもそも、たぶん実現できるとわかっていることしか「目標」にしない、ずるい性格なのだw にしても、どんだけ天体観測に入れ込んでるんだよ、と我ながら思う汗)、 これらは実は、散開星団のようにスムーズにはいかず、なかなかに手ごわい相手でした。

 この中で一番容易だったのは天王星である。2022年には、天王星はおひつじ座にいるらしい。Stellariumで見ると、おひつじ座は2月には夜早い時間の西の方の空に見えているはずだ。


 というわけで、2月も末のある休日の晩のこと、日が暮れてから夕飯の支度を始めるまでのわずかの時間に、双眼鏡を持ち出して西の空を探してみる。ちなみに、おひつじ座という星座は自分は今までに見たことがなかったので、どれがそれなのやら全然わからない汗。そもそもα星のハマルというのが2等星で、それ以外は暗い星ばっかりなので、わかりにくいことこの上ないw

Stellariumで天王星の位置をシミュレーション


 そもそもうちのベランダからだと西の方の空は電線が入り組んでて見づらいのだが、やっとこさ、ハマルらしい星を見つけた。へー、なんだかオレンジ色っぽい星なんだね。ネットで調べたところ「赤色巨星」という記述があったので、たぶん合ってるんじゃないかな。

 天王星は位置的に今、このハマルとくじら座のα星メンカルのちょうど中間くらいにあるらしい。というわけで、双眼鏡を今度は南へ振って、メンカルも探してみる。メンカルは3等星らしいので、もうちょっと暗いのかな。すると、ハマルと同じくらいの高度のところに、それらしいより赤みの強い星が見つかった。ネット情報によるとメンカルも「赤色巨星」とのことなので、間違いないだろう。よし、これで場所がわかったぞ。

 双眼鏡でなんとなく2つの星の間を探してみるが、もちろんどれが天王星なのかは全然わからないw。というわけで、望遠鏡に切り替えて、Stellariumの助けを借りて探索開始だ。

 まずファインダーにさっき見つけたハマルを入れる。そこから天の北東方向へ視界をずらしてゆくと、3つの5、6等星が正三角形に並んだ星並びがすぐに見えてくるはず。おお、出てきた、これだ。そのままさらにずっと同じ方向に進むと、やがてとても近い距離に並んだ6等星が2つ見えてくるはず…

 あった。この後から出てきた方が天王星だ。ファインダーの中央に合わせて(ええと、それからちょっとだけ左下にずらしてw)、接眼レンズを覗いて見ると…

 ああ、見えた。これが天王星か。

天王星。小っちゃ!(これは後になってから撮った写真)


 うーん、低倍率だと、普通の恒星とほとんど見分けがつかんな汗。接眼レンズを変えて、200倍まで倍率を上げると、確かに、ごく小さな円盤状に見えなくも、ない、かなぁ汗。さらに、そう言われてみれば、恒星と比べてまたたきがなくて光が安定しているし、惑星なんだろうねぇやっぱ。あと、そう言われてみれば、青緑色っぽく見えるような気もしないわけではないし…(恒星には緑色の星ってないのだそうで、緑っぽい色が入るのは天王星の大きな特徴なのだそうな)

 …ぶっちゃけ、言われなきゃ見てもわかんないです天王星。(^^;


 まあ、位置は確実に合っているから、間違いはないでしょう。うん、この年になってさらに新しく惑星を一個見たぞ。よっしゃ、次は海王星かな…

 

ちなみに海王星はこれ。さらに撮影に慣れてきてから撮ったものなので、こちらの方がよりはっきり明るく撮れてしまったw